This blog concept is a "tryna totally different Hip Hop blog from others."

コンセプトは"他のHip Hopブログとは全く異なるものにする"

アメリカ合衆国の抱える社会問題や、リリックの細かい解読、ラッパー達の経歴、そして管理人が頻繁に聴いている曲を紹介する不定期更新US Mainstream Hip Hop中心のブログです。

執筆依頼/記事に対する苦情、意見等は全て ishiphopdead@hotmail.com までお願いします。

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2016/12/27

ブログ閲覧数が気が付いたら70万PVを突破したということで(管理人の小言)

みなさんお久しぶりです。YAです。2016年も間も無く終わりです。そんなに記事を更新出来なかった今年ですが、気付いたら閲覧数が70万を突破していました。様々あるHip Hop/Rapブログの中からMore Than Noiseを見つけてくれて本当にありがとう。これからもよろしく(更新率低いけど)。

さて、この記事では今年の総括を...何の総括かって?特にこれと言ったものではありませんが、今後の日本でのHip Hop/Rapの在り方 について少し個人的な意見を書きます。


今回の記事の登場人物↓

YA
More Than Noise管理人
アメリカに留学経験あり
現在は日本のとある企業で絶賛社畜中
給料が低い事を嘆くが他に行く当てもないのでダラダラとした毎日を過ごす
土日はTwitterに明け暮れ、そろそろ記事を更新しようとするが気付くとパチ屋にいるカス


Mr. プレイヤーくん(以下プ)
現場に行く事が全て
給料の全てを現場に注ぎ、曲とファッションも最先端のものを好む
どうやら今年の日本のRapブームには消極的
その真意は...


Mr. リスナーくん(以下リ)
一部ではプロリスナーと言われ馬鹿にされている
ネットラジオで常に最先端の音楽を聴きまくる
最近のRapブームにも敏感
Twitterでよく他のプロリスナーとトラブルを起こし炎上を繰り返す
意識が高過ぎる故に現場で叩かれる事を恐れている


外野くん(以下外)
様々な場面で「人それぞれ」を武器に戦っている
Hip Hop/Rapを好き勝手楽しみたい人達である
面倒くさい議論に足を突っ込む事を嫌う
まぁでもいいんじゃない?それも人それぞれだしさ!



YA:みなさんお疲れさまです。今日集まってもらったのは、今年のHip Hopどうだった?とか、今後どうなると思う?なんていう話をしたかったからです。今年も終わっちゃうので、是非みんな意見を聞かせて欲しいな。

リ:デイイベントが増えた気がするね。未成年でも気軽に行けるイベントが増えた気がするよ。あとは、イベントの前半が未成年もokの時間帯にやって、後半からは成人だけとか。前からあったものだとは思うんだけどね。

プ:多分若者、特に高校生達がこの音楽を聞く機会が増えたのがその原因じゃないんですかね?ラップ選手権とか、フリースタイルダンジョンとかありますよね?それをネットで無料で見れたりする時代になった。この前駅のホームで若者がサイファーやってたのにはビックリしました。まるでアメリカにいるんじゃないかなんて錯覚しましたよ。

YA:まぁ僕がアメリカにいた時に駅のホームでフリースタイルやってる奴らなんて見た事なかったんですけどね(笑)。でも本当にフリースタイルは盛り上がっていますね。今までは極僅かな人が、例えば横浜のビブレの横で集まって細々とやっていただけだった。ちょっと怖い印象がありましたよ。

リ:やっぱりネットの力って大きいですよ。TwitterでDJが自分の音源や、他人のリミックスをSoundCloud経由でばんばんあげたりしています。リスナーも気軽に聴く事が出来ますし。More Than Noiseはちょっと趣旨が違いますけど、色んなブログがYou Tubeの音源を貼付けたりして、聴く守備範囲というか、とにかく多様になってきていますね。

YA:自分で言うのもアレですが、More Than Noiseは確かにそれらとは違いますね。私生活とは完全に別次元の話をしたいんですよね。実際、数記事仕事の文句なんて書いたりしてて矛盾しているんですが、なんでネットの中でまで仕事の話とか、プライベートの話をぶっ込まなくちゃいけないんだ?ってなってます。

外:人それぞれだろーが!

YA:おっと失礼。話を少し戻しますが、今日本で起こっているRapブームにどういう感情を持っていますか?

プ:さっき言った事に付け加えてなんだけど、現場に足を運ぶ人は前と比べれば多くなった。そういう集客的な部分ではいいんじゃないかな?You Tubeの広告で日本語Rapが流れたりする時代がきたんだよ。

YA:去年だったらなかなか想像出来ないですよね。消費者金融の広告にラッパーが出て来た時は衝撃でした。

リ:それだけみんなが受け入れ始めたんですよ。世の中的に、今年はVR元年なんて言われてますけど、個人では日本語Rap元年と名付けたいぐらい流行しています。

プ:いや、違うと思うな。日本語Rap元年じゃなくて、フリースタイル元年だよ。

YA:ちょっとこの辺りで摩擦があるようですね。

プ:フリースタイルは確かに流行った。でも結局それがHip Hopに還元されてない気がするんだよね。要するに、フリースタイルだけが凄い高い所まで持ち上げられて、フリースタイル上がりのラッパー達がネット上で露出をあげて、そこから大企業のCMに出てるだけ。

リ:でも、タトゥーだらけのラッパーが某有名女性アーティストのfeaturingに出たりしましたよね?Pなんたらって言うプロデューサーもかなり引っ張りだこって話じゃないですか?どう思いますかYAさん?

YA:結局Hip Hopという認知ではない気がします。その辺が難しい線引きだとは思うんですけね。

リ:YAさん、今日はやけに謙虚な発言が目立ちますね。

YA:もう炎上はいいよ(笑)。

プ:結局流行で終わっちゃうんじゃないかな?アメリカはチャートに普通にRapが上位に食い込んだりするじゃん?日本でそれっとなかなかまだ難しいでしょ?きっとクラブも前みたいな"悪い奴ら"の溜まり場に戻るよ。

YA:確かにそういう"認められた"感はまだないですね。流行は勝手に出来るものじゃなくて創られるものって認識があるから、大手広告代理店とかが如何に金儲けをしようかって話と直結するんじゃないですかね?

リ:単純に聴く範囲も増えたのだから、それだけ色々なアーティストの曲を聴く機会も増えたと思うんですよ。さっき言わなかったけど、世田谷のラップ集団とか、ちょっとアメリカを意識してて面白いですよ。そういうHip Hop/Rapの中で色々な個性が出現してきています。それを今だったらTwitterとかで共有して、「お、こんなアーティストがいるのか」なんて話が出来る。いくら時間があっても足りないくらいに出て来てますよ。

プ:そういうRapをバチバチにやっている集団はいいかもしれないけど、なんかファッション感覚で聴いてたりするリスナーがいるのはやっぱり現場に足を運んでいる人からするとイライラするね。クラブとかでいるんだよね。全然曲知らないで盛り上がり方を知らない連中とかさ。お前その服でクラブ来たのかよ!?なんて奴らもね(笑)。でも、それもそれでいいかなと思っていて。クラブ = 悪い奴らが集まっている って感覚が薄れていってるかもしれない。

YA:実はついこの前その世田谷のラップ集団の曲聴いたんですけど...

リ:何か言いたそうですね?

YA:いや(笑)、英語多くね!?っていう。

リ:そういうのも日本のRapの一種になっていると思いますね。日本語と英語を自在につかってRapしている。アメリカにはないスタイル。

プ:それも俺は同意。

YA:いやぁね...これはMore Than Noise管理人としてなんですけど、みんなリリック理解出来てるの?っていう...

リ&プ:お!?

YA:いやぁねぇ、彼らが自らの事をどう称しているか分からないんですけど、もしもリスナー側が彼らを純粋な"日本語Rap"だと認識しているなら、それには「いやいや普通に英語ガッツリ使ってるのが日本語Rapなんか!?」とツッコミを入れたくなって。

外:だから人それぞれだろーが!好き勝手聴かせろよ!

YA:そうでしたねすいませんでした。

リ:YAさんはリリックに拘り過ぎてるんですよ。もっと気軽に聴きましょうよ。

プ:クラブにはなかなかいないタイプですよねYAさんって。

YA:だからクラブは苦手なんですよ。心開いてる数名のリスナーさん達と焼酎呑みながら最近のHip Hopについて話しているほうがいいんです。

プ:そういうYAさんはここ最近のRapブームをどうお考えですか?

YA:いやぁねぇ、正直な話をすればアメリカで半世紀前にやった事をまたやるんか!?って意見はありますよ。集団Rapグループなんてのもそうだし。フリースタイルもアメリカの高校とかでは前からずっとやってた事。アメリカのHip Hop/Rapが歩んで来た路線をそのまま特急列車に乗って要所を抑えてるだけのイメージがあります。

リ:そこに日本語っていう要素があるんですけどね。日本語にしか出来ない韻の踏み方だったり、アメリカとは全く違うバックグラウンドで地元から成り上がるっていう独自の価値観があります。

YA:それを言い出すと、パレスチナのRapグループとか、ポーランドとかヨーロッパのラッパーとかキリがないんですけどね(笑)。

プ:悪ぶってる奴がいたり、本当の意味でサグがいたり、色々いるから面白い。

YA:アメリカも最近になってサグとかそういうのじゃなくて、Mumble Rapというのがすっごい人気ですね。

プ:あ、Desiignerだね?

YA:そう。あれは本当に酷かったけど、どうせクラブでは爆音でみんな盛り上がってるんでしょ?

プ:もしかすると、アメリカのRap = かっこいいっていう風潮はあるかもね。とりあえずビート重視で、何言ってるか分からないけどかっこいいってのは正直ある。

リ:私もそんなにリリックに注目出来ないですよ。だって英語分からないだもの(笑)。でも、Fワードとか、Bittchとか、よくアメリカのRapでも聴く単語を耳にするとそれっぽくなっちゃうんですよね。

プ:実際どれだけのアメリカのリスナーがRapの中身を理解しているのかすっごい疑問なんですけど、その辺りどうなんですかね?

YA:実際そこまで現地の人は注目していないと思いますよ。と言うよりも単純に耳に入って来たものを直接理解しているっていう。でもGeniusのおかげで細かい部分まで知るようになったんじゃないですかね?

リ:なるほど、細かい部分ですか。それって疲れる作業な気がしますね。やっぱりYAさんは難しすぎるんですよ。

プ:もっと気軽に聴きましょうYAさん。感覚って大事ですよ?

YA:それは人それぞれですよね外野さん?

外:そうだ!

プ:ちなみにYAさん、今年の日本語Rapで「いいなこれ!」みたいのありましたか?すっごい批判して終わっているだけな気がして。

YA:Anarchyのアルバムはよかったですよ。

リ&プ&外:これは意外。

リ:iTunesのレビューで凄く叩かれてたイメージがあります。セルアウトだの、前の方がよかっただの。

YA:メジャーデビューして、自分の出来る事を模索している感が凄くありました。上手くアメリカに乗っかろうとして高級車の話をしたり、自分は今でもストリートにいるよなんていう、矛盾しているようで、アメリカのメインストリームラッパー達と同じ苦悩があるんだな と感じたんですよね。これと言った1つのコンセプトではなくて、そのアルバムの中に自分の気持ちや、やりたい事を出来る限り注ぎ込んだみたいな。

プ:avexの有名グループの人も参加してるんだっけ?

YA:それはアメリカでも同じことですよ。Justin Bieberなんかも元々もはアイドル路線で売り出したのに、気付いたらラッパー達と曲作ったりしてるじゃないですか。そのグループ側のファンの心理は分かりませんけど、Anarchyを元々聴いていたファンもそういう部分には柔軟に対応しないと。面白半分でもいいから、お互いに歩み寄るのが大事なんじゃないかな。

リ:まさかYAさんからそんなコメントが貰えるなんて思わなかったですよ。

YA:だから、さっき言ったアメリカの路線に〜ってのは決して日本語Rapを全否定しているのではなくて、まさにリスナー側が試されてるんだろうなって認識なんですよね。善し悪しはイメージや1、2回聴いただけじゃ分からない部分てあると思うんですよ。

リ:そういう部分では、最近ネットのおかげで1つのアルバムをループして聴くって事をしないかもしれませんね。

プ:たまにクラブで「またその曲?」ってのはあるけどね(笑)。

YA:クラブ事情はあまり分からないですけど、Twitterとかで曲とか貼っている人達を昔はフォローしてたんですよ。

リ:あぁ、YAさんがたまにTwitterで書き込む"意識が高いリスナー"って括りですか(笑)。

YA:そうそう。でも途中から全部フォロー外したんですけど、結局RTで見れちゃって、ほとんどブロックしたんです。もうそういうのを見たくなくて。各個人で音楽を聴くペースってのがあると思っていて、それこそ外野さんの言う「人それぞれ」って話になるんですけど、僕にはそういうハイペースで音楽を聴くのは合わなかった。ブログの特性上、そんなに更新も出来てないんですけど、1曲だったり1アルバムに集中しちゃうんですよね。それが良い事か悪い事とかって話ではないですが。

リ:本当に彼らはものすごい音楽数を聴いていますね。ストリーミング配信時代だからこそ出来るものだと思われます。でも彼らで助かっている部分もあるんですよ。新譜を追っかける為には欠かせないツールになっています。

プ:絶対数回しか聴いてないって。

YA:いや、1回も聴いてないかもですよ。1VerseとHookぐらいしか聴いてない。でないとあんなに曲を貼ったり出来ないですよ。よっぽど暇なのか、それに命懸けてるのかよ!?ってぐらい凄いペースで聴いてる。毎日新譜紹介とかをあげてるブロガーさん達は尊敬しますよ。よくチェックしてるなって。

リ:YAさんみたいなブログって本当に珍しいですよ。

YA:珍しいからこそ価値があるのかもしれないし、場合によっては面倒くさがられるんですよ。

プ:だからこれまでに苦情メールだったりTwitterで炎上している訳だ。1プレイヤーの意見を言わせてもらえば、体を揺らして音楽を聴くのもいいもんですよ。

リ:ほらね、結局お互いの意見を言い合って一向に決着が付かないでしょ(笑)?

YA:そうそう。結局何もまとまらないでこういう話って終わるんですよね。でも、同時進行でどんどん音楽は配信されては消えていく。来年どれだけのラッパーが消えるか分からないですよ。

プ:こういう議論っていうか、雑談って大事だと思うんだよね。

YA:僕もそう思いますね。でも、外野さん達が後ろでさっきから人それぞれ〜って歌ってますけど、それで滅殺されてしまっている現状があると思うんですよね。日本でRapが流行り始めたからこそ、こういう話って大事だと思うんですけど、まぁ無理でしょうね。

リ:と言いますと?

YA:これは伝える側にも問題があると思うんですけど、圧倒的に情報提供が少ないんですよ。

プ:ネットラジオで伝えてるだけじゃダメなのかな?

YA:それを否定している訳じゃないけど、深くないんですよ。

リ:久しぶりのYA節ですね。

YA:炎上案件になってしまいそうですけど、前にもブログ内で書いた事があって、英語を理解出来る人だったりとかHip Hopを聴きまくっている人にもっと内容を伝えて欲しいんですよね。それを読んだり聞いたりして、各読者だったりが自分好みの曲を開拓していく。それが重要だと感じるんですよ。

リ:初心者にはそれが厳しいんですかね。結局聴く事で精一杯で吸収しきれていない。

プ:ファッションと同じですか。雑誌を見て色々なトレンドを知って終わってしまう。その先がないと言うか。

YA:雑誌もそうだし、ブログもそうですけど、やっぱり発信者の数が圧倒的に少ないんですよ。細かい事を発信する人物がね。

リ:かく言う私も聴くので精一杯ですよ。だってTwitterで流れて来る曲を聴くので限界ですもん。

プ:みんなで仕事辞める(笑)?

YA:もっと言えば、実はリスナー側にも問題があると思っていて、結局数回聴いただけで満足しちゃうじゃないですか?同じ曲を何十回も聴いたり、それに対して話し合うってないでしょ?それもそれでどうかなと個人的には思ってしまいます。「そこをお前がやれ」なんて話が出て来るかもしれませんけど、私はちょっと英語が理解出来るそこらにいるHip Hop/Rap好きの社畜ですよ。

プ:現場にいる連中も、プロリスナー達も、ブロガー達もみんなでたまには話し合う事が大事なんだろうね。

リ:でもそういう話し合う場がないのも困ったもんですよ。Twitter上でそんな色々と話している場面に遭遇した事はないです。

YA:ないからこそ、今後そういう場面を作らないとそこで思考停止ですよ。なんだかんだで発信側もリスナー側も、プレイヤーだって無責任な世界です。それでいてお互いに批判し合ったり、一方通行ですよ。正直つまらない。時々ブログ書いてて思うのは、この世界って自慰行為の塊なんだなって。お互いの自己満足で全てが完結してしまっている。フリースタイルが流行って来年はどうなるか分からないですけど、結局その先の展望がないんですよね。

外:人それぞれ〜♪

YA:おっとそうでした。そうそう、人それぞれなんですよね。はいはい終わり。来年はブログ更新出来ないんじゃないかな。まぁ、プロリスナー達に任せますよ。実はブログを消す時の記事も既に書き終わっているんです。じゃ、新台入荷したんで僕は消えますね。


Article by YA

2016/11/05

アルバムレビュー: Meek Mill: Dream Chaser 4(DC4)

アルバムレビューを本格的に始める前に、Billboardチャートだけをチェックして「うぉぉぉぉ」となっている人、Underground Hip Hopを聴いて自らを「俺ってやっぱたくさん知ってるな」と陶酔している輩、そして意識の高いプロリスナーや身内Twitterでクラブのワイワイ画像を貼付けてるDJ達がどれだけMeek MillというPhiladelphiaが産んだバトルライマーの天才を知っているか個人的に疑問なので、少しDream Chaser 4(以下DC4)の事前知識を書いてく。


South Philadelphiaからの叩き上げ。ここ1年、Meek Millは全米で"お粗末な"ラッパーとして散々馬鹿にされてきた。その理由はDrakeに他ならない。


Meek Mill


Drake

DrakeとMeek MillのBeef/抗争はMeek Millのあるツイートが発端である。2015年7月にMeek MillがTwitter上で「Drakeと俺を比べないでくれよ。あいつは自分でリリックを書いてねぇぞ。だから俺のアルバムの宣伝もしない。」Ghostwriting/ゴーストライターがDrakeのバックについていることをぶちまけたことからこのクッソくだらないBeefは始まった。DrakeとMeek Millは互いにdis曲を出し合い、Drakeの方が圧倒的にファンが多いのでMeek Millはどんどん押され気味。それに乗っかる、または巻き込まれたラッパーやプロデューサーもTwitterであれこれ呟き始めた。Maybach Music主帝Rick Rossに至っては「Drake>>>>>>Meek Mill」なんて身内殺しの呟きを行った(*今は消去済み)。 Meekが泣いているコラ画像がネットに上がったり、両者はライブでも悪口を言い合ったり。と思ったらViewsは爆発的な売り上げ。もうMeek Millのライフはゼロなのだ。そんな中でDC4はDrakeの"歌"で踊っている連中に「これが俺のラップだから」と捲し立てるのだが。

Drake: Views (2016)


DrakeのViewsやそれまでのアルバムが売れている一番の理由は、彼が女性の心理を的確につくことにある。だから女々しいと言われることが多く、「彼の人生は可哀想」とか「誰か彼を抱きしめてあげて!」なんて同情コメントを貰う(*なお、Drake自身はかつてインタビューで自らの人生が幸せなことを語っている)。PVでの踊りは全米のテレビで映りまくり、かと思えばMubmble Rap(= 今全米で議論になっている"何言ってるか分からない糞Rap")のFutureと一緒に曲を出してみたり。恋愛に悩む女性、テレビに釘付けの若者、Mumble Rapが好きなリスナー全てを巻き込み、彼のアルバムリリース記録は爆発的なものとなっている。ライブパフォーマンスの評価も非常に高く、ライブ各地の"ご当地ラッパー"をサプライズで招き、音源と全く変わらないラップを披露する。ラッパーの多くは音源とライブが全く違う事で批判を喰らうこと(ASAP Rocky、あなたの事です)があるので、それを考えると凄いことだ。近頃の芸人は学歴が高かったり、何か特出したものがないとテレビでも扱ってくれない なんて話があるがDrakeは歌も上手で(?)、イケメン(???)なので彼のファンは急激に増えている。もう一度書く、彼のファンを増やしているのだ。Hip Hopファンを増やしているのではない。これは日本でも同じ事が言えるはずだ。フリースタイルダンジョンがどれだけ流行ろうが、テレビでラッパーが映ろうが、You Tubeの広告で横浜のラッパーが消費者金融の宣伝をしたところで、Hip Hopが流行っているとは決して言えない(*そして、それが課題である)。


Views単体は、はっきり書けばHip Hop/RapアルバムではないPopアルバムなのだ。しかしその線引きが難しいのが今のUS音楽業界なので、人によっては「これはHip Hopだろ?」なんて反論を喰らいそうなので苦情はメールで受け付ける。BillboardチャートでTaylor SwiftやBruno Mars、Maroon 5 を普段聴いているリスナー達にウケたのは事実である。Rihnnaとの恋愛事情もメディアが常にチェックしている。リリース頻度も他のラッパー達に比べれば圧倒的に早い。常に人々を飽きさせない。真のエンターテイナーがDrakeだ


Meek Mill: Dream Chaser 4 (2016)


Meek Millのラップの特徴は、とにかく捲し立てること。1998年の横浜ベイスターズの"マシンガン打線"を音源にしたかの様なラップの原点はSouth Philadelphiaのハスリング生活を生き抜く為の"知恵"だった。You Tubeには、「Meek Millのラップは海に落とされて藻掻いている時に発してる感じがするよな(笑)」なんてコメントがあるが、それは彼にとって褒め言葉だ

Drake と Meek Millのリリックの中身を比べる時、多くのDrake信者が「Meek Millはいっつも同じことばっかりラップしてるよね?」なんて批判してくる。Meek Mill信者からは「Drakeは女々しい」など、上記に書いたコメントを連ねる。2人のラップは全くの別ものだし、産まれてから人生が割とイージーモードだったDrakeと貧困を生き抜いたMeek Millはバックグランドも違うから、それ自体比べるのがナンセンスだ。ただ、Meek Millの方がラップはしている。だから現チャートで上位ランクイン、そしてそれを維持するのは難しい。それでも、ストリートはしっかりと彼の今回のアルバム DC4 を評価している

では、「ふーん。Meek MillてDrakeとは違うんだね。はいはい分かった。」と多くのDrake信者も感じてくれた頃合いだと思うので早速レビューに入る。


1曲目のOn the Regular = いつも通り から早速Meek Millのマシンガンラップを楽しむ事が出来る。プロデューサーはSouth SideとLex Lugerが作り上げた808 Mafiaの新メンバーであるMP 808を起用。あれ、このビートどっかで聴いた事が...↓


*Carl OrffのO Fortunaサンプリング

Hook序盤は「いつも通りにドラッグを売る」など、Drakeとは違う"日常"をラップしている

2曲目、Blessed UpではMeek Millが得意するNBAネタを披露。Verse 1では最後をniggaで終わらせ無理矢理韻を踏むスタイルだが、Verse 2からはガチガチに固めて来る。3曲目が現在US内で問題になっているLitty。少し細かくみていこう。この曲の主役はMeek Millではなく、Tory Lanezという人物だ。


Tory Lanez

Canada出身のTory Lanezはラップだけではなく歌唱力も高く評価されている。そんな彼が2010年にDrakeに向けたshot = メッセージをYou Tubu上に載せた。それを"10,000 Challenge"と言い、「もしDrakeが俺の曲が嫌いなら$10,000くれてやる」と挑発したのである。


この挑戦をDrakeは当時認識していなかったんだとか

以後Drakeの人気は急上昇。Tory Lanezはというと、ゆっくりながらも着実に知名度をあげた。そんな中で、Tory Lanezは2015年にThe New Trontoというミックステープを発表した。多くのリスナーがこのタイトルから「Drakeに向けたものでは?」とざわつき始めた(DrakeのViewsジャケット然り、彼はTrontoから成り上がった)。これを無視できなかったのか、DrakeはSummer Sixteenの2nd Verseで「"新しいTronto"ってのは俺にとっちゃ小さいもんだ」とラップした(*なおSummer SixteenはMeek Millのdisがメイン)。Tory LanezとMeek MillはLord Knowsで急接近。Tory LanezがツアーでPhiladelphiaを訪れた時にはSnapchatで「誰かさんと違って俺はPhiladelphiaでも元気にやってるぜ」とDrakeを間接的にいじっていた。

そんな中で、DC4のLittyの発表。現在、この曲を聴いたリスナーアンケート: "LittyはDrakeへのdisか?"に対して65%がYesと答えている。この曲中、Tory LanezがQuentin Millerという名前を出すが、その人物がDrakeのゴーストライター疑惑がある人物である。そして、その次に"6"という数字が登場する。これはDrakeが頻繁に使う数字で、Trontoのエリアコードの416の最後を取ったものである。また、次にPhilly = Philadelphia = Meek Millのホーム がくることから色々と勘ぐってしまう。

4曲目のShineではプロデューサーにStreetRunnerを招き、自らの貧困の中に希望を見出す内容である。「音楽がなかったら俺は死んでいた」というHookから始まるこれは、まるで天国でMeek Millを見ているLil Snupeに贈った曲のようだ(*Lil Snupeに関しては後述)。5曲目のFreezeはAtlantaのTrapシーンを引っ張るSonny Digitalに絶賛Mumble Rapの代表格として非難され中のLil Uzi Vert(実はPhiladelphia出身)とMeek Millと絶賛熱愛中のNicki Minajが登場。Nicki MinajのVerseでは「私は今でもMeekと一緒にいるわよ」と、メディアが散々Nickiだけを弄るのに嫌気が指しているのが分かるラインだ。

6曲目のThe DifferenceでもプロデューサーにSunny Digitalを起用し、客演にMigosのQuavoを呼んでいる。なお、曲タイトルはQuavoのみの表記だがこちらも現在Mumble Rapperとして世間を賑わせているDesiignerもアドリブであれこれとラップしている。こういう今のMainstream界を盛り上げているラッパーを起用する辺りもMeek Millの力量か。なお冗談でも聴きたくないDessignerのVerseはないので安心して欲しい。この曲はGeniusの解読班が「GameとBeanie SigelのDisでは?」と煽り立てているが、それを臭わせるのはHater と Backstabbers (=裏切り者)だけなので何とも言えない。

7曲目のLights OutではBronx出身のDon Qが登場。実は今アメリカがジワジワと人気が出ているラッパー。CaliforniaはLong BeachのBoogieとともにNYCの人気ラジオ、Hot 97でフリースタイルも披露した経歴がある。8曲目のBlue Notesでは客演を一切呼ばず、Meek Millのマシンガンラップを堪能出来る。自らがなぜこれほどまでに金に飢えているのかを曝け出す。9曲目のOffendedではYoung Thugと21 Savageが登場。そことなくMeek MillがYoung Thugのフローを真似している気がしてならないが、ここで注目して欲しいのは21 Savageの存在である。彼はDrakeと共にSnaekin'という曲を出している。そしてMeek MillとのOffendedということで、Beefは終結したのか?なんて噂がある。なお、21 SavageはTMZ(アメリカのゴシップサイト)の取材に「どちらとも俺のホーミーだよ」とありきたりな発言をしている。

10曲目のYou KnowではまるでDrakeに挑戦状を突きつけているかのような歌唱力を披露している。客演のYNL Lucciも普段はAtlantaのTrapシーンを盛り上げている重要人物。11曲目のWay Upでは管理人が注目しているTracy Tが登場。Rick Rossにラップの才能を見出された彼はまさにNext Meek Millの様な存在である。アルバムも終盤となり、次曲のTwo WrongsではMeek Millのレーベル: Dreamchaserと契約中のR&BシンガーGuordan Banksと、このブログではおなじみのPusha Tが登場。ストリートの掟をラップする。

そしてこの曲で管理人が最も注目して、いや、もっとMeek Millを聴いて欲しいという意味で次のTony Story 3を激推ししたい。3 と付くように、実はこの曲は続いているものである。故に、いきなり誰かもさっぱり分からないTonyが死んだ から始まる。この曲最後で「次は映画にでもするかな」とMeek Millが話しているが、Tony Storyが終わったら全てをリリック解読として紹介したい。それほどの大作である


Meek Mill & Lil Snupe(RIP)

DC4の最後を飾るのはOutro feat. Lil Snupe & French Montanaである。Lil Snupeは既にこの世を去っているが、Meek Millが弟のように慕っていた人物であることで知られている。Louisiana州出身のLil Snupeの死因は発砲によるもの。若干18歳だった。Meek Millは彼の死後「彼には口うるさく"ストリートから早く出ろ"と伝えて来たのに」とやり場のない気持ちを語っている。そんな彼の秘蔵音源だったのか、それとも過去に一緒に録音したものかは分からないが、この曲をOutroに持って来たMeek Millの気持ちを考えると、Shine同様泣けて来る。なお、Lil SnupeのVerse で自らの死を予言していかのようなラインもあるのが今注目されている。


Meek Millがこのアルバムに込めた想いは、ストリートにラップを戻すこと のような気がしてならない。DC4には巷と湧かすYoung Thugなども登場しているが、それでもMeek Millは自らの信念を持って、そして亡きLil Snupeに「俺はこうやって元気にやってるよ」と伝える為にこのアルバムを作成したのだろう。Drakeとのbeefで注目されがちな彼だが、それでは勿体無い。是非このアルバムを通して彼の攻撃的なラップを堪能して欲しい。兎にも角にも、DC4 必聴です


Article by YA

2016/09/04

リリック解読: YG: Blacks & Browns feat. Sadboy Loko

Still Brazyのアルバムレビューで書いた様に、今回はYGのBlacks & Brownsのリリック解読を行う。特にこれといった前置きは不要。African AmericanとChicanoの叫びはこのアルバムの中でも1、2を争うシリアスさだ。

YG: Still Brazy (2016)

*以下のリリック解読はあくまで約5年アメリカに滞在した管理人の英語の理解力によるものです。他の人によっては別の解釈が出来る箇所が多々あると思いますのでご了承ください。また、今回も直訳するとリリック本来の意味が分からない箇所が多々あると思いますが、出来るだけ解読パートで噛み砕いて説明していきます。最後に、こちらもなるべく細かくやるつもりですが、一部読者の英単語の知識が必要な箇所もあると思いますのでご了承ください


*また、"何となく雰囲気を理解出来ればいい"という方には、残念ながらこの解読記事は適していません。極力1つ1つの各ラインに注目していきます。そういうのが苦手な方、または細かく理解しなくてもいいと思っている方はこのページを閉じる事をお勧めします



[Hook: YG]


I'm a nigga and I can't go outside
We looking bad on the news black on black homicide
I'm a nigga and I can't go outside
I need them dollars, got these problems with this llama on my mind
I'm a nigga and I can't go outside
They make it harder by the day, gotta keep this hope alive
I'm a nigga and I can't go outside
Cause if my homies say it's on then you know I'm down to ride


[解読]
*全てを一遍に解読する為リリックは割愛


a nigga はYG自身を指している。多くのアフリカンアメリカンが自らをniggaと位置づけている事にも注目。彼は、この曲でどこにでもいるアメリカの黒人の気持ちを代弁している。そんなYGは外に出れない とラップしている。その理由は何なのか?

まず始めに登場するのはnews black on black homicide = 黒人が黒人を殺害するニュース。そんなニュースが日常的に報道される事で、アメリカの一般世論は黒人 = 悪 と考えてしまう。ここで、アメリカの有名なある動画を紹介したい↓


Racism in the Elevator = エレベーター内での人種差別
白人女性が黒人が乗って来た時にどの様な行動を取るのかを紹介している

当然、黒人 = 全員が悪人 なんて事ありえないが、YGはテレビで日に日に映る黒人が起す事件によるその人種へのイメージ低下を危惧している

YGは外に出る事を恐れている。それでも、家から出ないと金は手に入らないし、女性問題にも対処しなれければいけない(*llama = 女性器)

次に登場するthey は警察官の事。警察官(主に白人)が丸腰の黒人(特に青少年)を殺害する事件が多発しているアメリカである。YGも黒人という理由だけで殺されるかもしれない。当然、青少年/若者/子どもは国の宝、これからの希望(= hope)である。

さらに、YGの友人達が犯罪を企てる時、彼もその計画に乗っからなければいけない。結局外に出る事はトラブルに繋がってしまう。故に、彼は家から出る事を拒んでいるのだろう。

*[訳]パートでは意訳あり

[訳]
I'm a nigga and I can't go outside
We looking bad on the news black on black homicide
I'm a nigga and I can't go outside
I need them dollars, got these problems with this llama on my mind
I'm a nigga and I can't go outside
They make it harder by the day, gotta keep this hope alive
I'm a nigga and I can't go outside
Cause if my homies say it's on then you know I'm down to ride

俺は外に出られない
黒人のイメージは悪化するばかりだからな
外に出る気にもなれない
でも金と女で色々あるのさ
俺もそこらにいる黒人だ
奴らが状況を悪化させ、希望を失わせる
外に出る事を恐れてる
連れの誘いを断る事は出来ないぜ

-----------------------------------------------------------------

[Verse 1: YG]


We make it hard for us with all this black on black crime
In the same state we gotta pay our tax
If we get locked up it's double rate
We get popped then retaliate, and they sell us these guns
In these fucked up schools where they teach us what they told to
Half the shit I learnt in school I ain't never used
These fucked up rules the government trying to control you
That's why we saying fuck the law, we act like we the ones with the juice
It's fucked up around here, some niggas luck up out here
The rest end up stuck up around here
So I'm speaking for my peers cause I still see their tears
I ain't sugarcoating nothing nigga, this is what it is
They supply us with the county to make us feel comfortable
Couple years pass, we in the same spot we was before
We was content on that section 8 shit
At the first of the month we got them groceries for them kids
But nah, they're fucking up our mental
Keeping us slaves so we can't be successful black people
We need to come together, fuck they system
Tired of been a victim, tired of racism
So I'mma spit this ism 'til this shit stop
Cause this that "nigga, we all we got!"
We need to stop hating on what the next black got
Given him his props to figure out how he ran shop
So our kid's kid's can be good
Own a house on the hills, and rent the house out in the hood
(Sound good) Cause them folks that be wealthy
They never thinking of tomorrow, they so unhealthy
We killing ourselves, they killing us too
They distract us with entertainment while they get they lost
They never gave us what they owed us, put liquor stores on every corner
Welcome to Los Scandalous, California


[解読]

We make it hard for us with all this black on black crime
In the same state we gotta pay our tax
If we get locked up it's double rate
We get popped then retaliate, and they sell us these guns

*make it hard =(今回のリリックでは)難しくする

*tax = 税金

*locked up = 刑務所に入る

*pop = (スラングで)銃を発砲する

*retaliate = 仕返しする


Verse始めのwe は当然アフリカンアメリカンを指す。彼らは黒人が黒人を殺すニュースが連日メディアに流れる事から、普通の生活すら難しい現状にある([Hook]に直結)。

次のラインが皮肉になっており、黒人だろうが白人だろうが、みんな同じ税金を州、そして合衆国に払っているのだ。そういう部分だけは平等なこの国の現状を悲観している。

しかし、黒人が逮捕され、刑務所に入るケースが白人よりも2倍多いとラップする。全米黒人地位向上協会によると、実際は白人より6倍のアフリカンアメリカンが収監されているそうだ

当然、アフリカンアメリカンの方が白人よりも刑務所に入っている = それだけ彼らが起す事件が多いのだろうか。黒人同士のいざこざが後を絶たない事への怒りとも捉えられる。Kendrick Lamarのリリックでも登場したように、ギャングの抗争が耐えないのがCompton/Bomptonである。抗争で使う銃は色々な所から手に入る。身内の黒人であったり、もしかすると白人や政府の役人からかもしれない


In these fucked up schools where they teach us what they told to
Half the shit I learnt in school I ain't never used
These fucked up rules the government trying to control you
That's why we saying fuck the law, we act like we the ones with the juice

*government = 政府

*law = 法律


アメリカの教育現場の状態を伝えるリリックがここで登場。学校/教師は様々な科目を子ども達に教えてくれる。しかし、YGはそこで学んだ半分の事も実生活で役立った試しがない とラップする。実生活で大事になってくるのは、おそらく経済の仕組みであろうか。一般市民がどうやって国/政府にお金を毟り取られるかは、学校では教えてくれない。大人/社会人になってこの世の中の仕組みの一部分を知る事になる。故に、YGや他の多くのラッパー達は「fuck the law」=「法律なんて糞喰らえ」と叫び続ける。ここ最近では、白人警官が黒人少年を撃つ事件において、警官側は不起訴処分になっている。jucie は飲み物のジュース ではなく、ストリートにおける尊敬を指すスラング。自分の気持ちを伝えることは、同じストリート、同じ国に住むアフリカンアメリカンの気持ちを代弁している事に等しい。それが為に、ラッパー達はそのストリートの代弁者として尊敬される存在であり続けなければいけない


It's fucked up around here, some niggas luck up out here
The rest end up stuck up around here
So I'm speaking for my peers cause I still see their tears
I ain't sugarcoating nothing nigga, this is what it is

*luck up = 運がいい

*stuck up = 偽物

*peer = 友人

*tear = 涙

*sugarcoat = 上辺だけ


ストリートの代弁者としてどんなにラップをしようが現状は何も変わらない。始めの2ラインで登場するhere = ここ はYGが住むCompton/Bomptonを指す。このゲットーで生き残れるのは本当に運がいい人物だけ。そして、残ったとしても多くの人物は"偽物"である。そこに住んでいないのに、まるで"ゲットー気取り"でラップしてる人々の事であろうか。

そして、YGは仲間の"涙"を代弁しているのだ。この"涙"とは、ストリートで起こる殺人事件などで流すもの。


They supply us with the county to make us feel comfortable
Couple years pass, we in the same spot we was before
We was content on that section 8 shit
At the first of the month we got them groceries for them kids
But nah, they're fucking up our mental

*county = 州/郡/(スラングで)刑務所

*comfortable = 快適さ

*section 8 = 低所得者向けの集合住宅

*groceries = 食料


始めのリリックに登場するcountyだが、おそらくは(Comptonがある)California州の事を指していると思われる。州の政策によりYGを含むアフリカンアメリカン(←主に低所得者)は"快適さ"を与えられる。人間として最低限に必要な衣食住の話であると思われる。しかし、何年経っても黒人達は同じ場所に居続ける(←ゲットーから離れる事は出来ない)。そんな彼らは今でも低所得者向けの集合住宅に住んでいる。3つ目の、At the first〜の件は、月初めに食料を得られ、子どもを養う事が出来る の意味であるが、アメリカでのWelafare = 生活保護の一環で支給されるフードスタンプを指している。そのフードスタンプで子どもの食事を買う事が出来る。しかし、いくら食欲が満たされても心は満たされない


Keeping us slaves so we can't be successful black people
We need to come together, fuck they system
Tired of been a victim, tired of racism
So I'mma spit this ism 'til this shit stop
Cause this that "nigga, we all we got!"

*slaves = 奴隷

*system = システム/体制

*vistim = 犠牲者

*racism = 人種差別

*ism = 主義


アメリカ合衆国において、黒人が全うな職業で成功する道は2つだけと言われ続けて来た。それがスポーツとエンターテイメント業界である。それを、"一応"現大統領のBarack Obamaが世の中に見える形で変えてくれたと思うが、今でも政治家や教授などの黒人の数は白人よりも圧倒的に少ない。YGはそんな現状を、奴隷制時代と何も変わらない とラップしている。アフリカンアメリカンが共に立ち上がり、今の体制をぶち壊そうとラップしている。過去にAb-SoulのTerrorist Threats でも同じ様なリリックが出て来たのを一応書いておく。

YGは、アフリカンアメリカン = 現体制/システムの、そして殺人事件の犠牲者になっている ことに疲れている。そして、この国が取り巻く依然変わらない人種差別にも。彼は差別が終わるまでこの曲のような内容をラップし続ける。なんだ、こういうラップも全然出来るじゃないか。


We need to stop hating on what the next black got
Given him his props to figure out how he ran shop
So our kid's kid's can be good
Own a house on the hills, and rent the house out in the hood
(Sound good) Cause them folks that be wealthy

*ran = (動詞の意味で)経営する

*hill = 丘

*wealthy = (心/物理的に)豊かになること


ここがなかなかのパンチライン。アメリカに住む黒人達が団結する為に、YGはまずお互いを憎み合わない事が大切とラップする。隣に住む黒人や、事業で成功した黒人を憎まない事が重要である。事業に成功した黒人は、その子どもや孫の代まで養う事が出来るかもしれない。丘に家を建てるのは、アメリカでは豪邸に住む 事を表している。Hoodから抜け出し、アメリカンドリームを掴むのだ。


They never thinking of tomorrow, they so unhealthy
We killing ourselves, they killing us too
They distract us with entertainment while they get they lost
They never gave us what they owed us,
put liquor stores on every corner
Welcome to Los Scandalous, California

*unhealthy = 不健康

*distract with ◯◯ = ◯◯で気を散らせる

*liquor stores = 酒屋


まず始めのthey は他の黒人の成功を憎んでいる人物達の事を指す。彼らは明日の事を考えないで(または明日を生き延びるのが精一杯で)犯罪を企て、自らの安息の為にドラッグを摂取する→精神/健康状態が非常に悪い。黒人達はギャング団同士のもつれからお互いを殺し合う。そして、次のthey は白人警官を指す。白人が黒人を殺す現実がある。その次のthey は白人が牛耳るエンターテイメント業界である。アメリカ国民(今回は主に黒人)の目を欺く為/批判を逸らす為、メディアはあの手この手を使い現実から遠ざけようと必死になっている。白人は黒人が上の地位に立つ事を恐れている。ゲットーにある教育現場に力を入れず、街を見渡すとHoodの角には酒屋が必ずと書いていいほどに点在する。

そんな現状を、YGは最後にLos Scandalous とラップする。この単語はSkid RowというLos Angelに実際にある地区を指す。ドラッグ中毒者とホームレスが集中する地区である。そんな地区のドキュメンタリー映画が存在しており、そのサブタイトルがLos Scandalousとなっている。予告編を貼っておく↓


Skid Row地区のホームレスの実態を暴くドキュメンタリーである

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[訳]
We make it hard for us with all this black on black crime
In the same state we gotta pay our tax
If we get locked up it's double rate
We get popped then retaliate, and they sell us these guns
In these fucked up schools where they teach us what they told to
Half the shit I learnt in school I ain't never used
These fucked up rules the government trying to control you
That's why we saying fuck the law, we act like we the ones with the juice
It's fucked up around here, some niggas luck up out here
The rest end up stuck up around here
So I'm speaking for my peers cause I still see their tears
I ain't sugarcoating nothing nigga, this is what it is
They supply us with the county to make us feel comfortable
Couple years pass, we in the same spot we was before
We was content on that section 8 shit
At the first of the month we got them groceries for them kids
But nah, they're fucking up our mental
Keeping us slaves so we can't be successful black people
We need to come together, fuck they system
Tired of been a victim, tired of racism
So I'mma spit this ism 'til this shit stop
Cause this that "nigga, we all we got!"
We need to stop hating on what the next black got
Given him his props to figure out how he ran shop
So our kid's kid's can be good
Own a house on the hills, and rent the house out in the hood
(Sound good) Cause them folks that be wealthy
They never thinking of tomorrow, they so unhealthy
We killing ourselves, they killing us too
They distract us with entertainment while they get they lost
They never gave us what they owed us, put liquor stores on every corner
Welcome to Los Scandalous, California

俺たちはよ、身内の事件で環境を悪化させてる
同じ場所で税金を払ってるのによ
刑務所に入る率は奴らの2倍高い
撃たれたら報復、奴らが銃を売って来るからな
学校で俺たちは色々な事を教わるが
その半分もここで役に立った試しがない
政府の為のルールだから俺たちは支配されてる
だから法律はクソって叫ぶ、ストリートの生の声を届けるのさ
ここは狂ってて、運がいい奴だけが生き残る
でも大半は嘘偽りで生きてる
仲間の為に叫ぶよ、奴らの涙を見てるからな
嘘は言わない、これが真実だ
奴らは快適さを俺たちに与えてくれる
ところが数年経っても何も変わらないの現状だ
Section 8からいつ出れるのか
月初めに子ども達の食欲を満たす
でもよ、心は癒してくれない
奴隷同様の生活で成功する黒人がいるとでも?
団結して、現状を打破する
犠牲者になるのも、差別の対象になるのも疲れた
この主義が消えるまで俺は辞めない
「俺たちの勝利だ」と言えるまでな
隣に住む黒人を憎むのは止めとけ
奴が成功した事を尊敬しよう
ガキのガキの代まで繁栄させろ
丘に家を建てて、Hoodから出るのは素晴らしいことだ
(いいじゃねぇか)心まで豊かになるぜ
奴らは明日を考えない、心まで貧困だ
俺達は殺し合い、警官までも撃ってくる
エンターテイメントで俺たちを欺く
決して白人みたいになれないように、周りは酒屋だらけ
これがLos Scandalous、Californiaだ

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[Interlude: Sadboy Loko]

93103 ent に所属するラッパー
日本にも来日経験があるそう
Chicano とよくいわれるが、これは通常メキシカンアメリカンを指す言葉である
ちなみに、Loko/Locoは"狂っている"の意味があり、
Chicanoラッパーはこの単語をMCネームにしているラッパーが多数存在する

*余談:Chicanoラップに疎いこのブログの管理人ですが、たまたま見つけた大阪アメ村にあるLA PUERTAと言うショップがChicanoラップを全面に推している事を知りました。イベント情報等満載でして、リンク先でもChicanoラップの紹介をしております。是非ご覧下さい。私もメキシコ移民の歴史から勉強します。


Haha, buenos dias motherfuckers
I'm Sadboy Loko, and I'm here to speak for my people

buenos diasはスペイン語で"おはよう"の意味で、日常の挨拶として使われる。英語では"Hello"や"Good Morning"の位置づけ。my people は直訳すると"私の人々" になるが、これは当然Sadboy Lokoと同じ血を引くメキシカンアメリカンと、メキシコからアメリカに来た(合法的/不法にやってきた)移民達だ。

[訳]
Haha、この糞ったれども
Sadboy Lokoの登場だ、お前達の声を代弁するぜ

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[Verse 2: Sadboy Loko]


We need to come together, look around
They made the border for the browns cause we're not allowed
Gotta get the green card for me and my child
Those assholes payment under the table that don't last a while
those jobs getting passed around, they dog our people
Why we gotta look for work at Home Depot?
It was us before the natives, why we ain't equal?
But why you give us no perks, fool we need those
"And we're trying to make America Great"
Fuck you ese, somebody bring him to the Treces
And ——— just for disrespecting
Black, brown, or pale, it don't matter to me
The only color that call shots in this world is green
And at eighteen they want you to sign up for war
That's why most rather bang and hang around at the store
So to you, it's just another selling corn
To me, we out here hustling for the mortgage
Fuck you think we crossing the border for?
Why you think in a bedroom there's more than four?
You explored my country but can't accept my people
But who you want to run your business? My people
My flag is green, white, red, in the center's an eagle
Brown Pride, fist high, this for my illegals


さて、解読を始める前に少し事前知識: 以下に登場するBrownは、直訳すると褐色になるが、ここでは中南米からの、特にメキシコからの移民の肌色と考えられる。

borderは国境の事で、今回は当然アメリカ合衆国とメキシコの国境になる。

今回のSadboy Lokoのリリックの大きなテーマは不法移民である。メキシコからアメリカに非合法的に移民した人々の数は2007年をピークに下がっているという統計が存在するが、それでも2014年においてその数は500万人以上といわれている。国境に面するTexas州とCalifornia州にその多くが集中している。故に、自然とその両州でChicanoラップが盛んな訳だ。オバマ大統領然り、その前のブッシュ大統領もこの不法移民問題を深刻に受け止めていた。が、不法移民がいないと成り立たない仕事があるのも事実である(後述)。不法移民者は当然アメリカ国民が得られる社会保障の恩恵を受ける事が出来ない。その為に犯罪に奔るケースがある。今回の米国大統領選で共和党から立候補しているDonald Trumpは政策の中で「両国の国境に壁を作る」と公言している。これが不法移民や、正当に国境を渡ったスパニッシュ系の人々の反感を買っている。

Donald Trump

YGのStill BrazyにはFuck Donald Trumpなんて曲もある

では、なぜ不法移民がこれほどまでに多いのかという説明を少し。不法移民を後押しした原因/政策は多数あるが、ここではNAFTAを紹介したい。NAFTAはNorth American Free Trade Agreements の略称である。日本語では北米自由貿易協定と訳される。自由貿易なんて書いてあるので聞こえは良いのだが、メキシコ国内の産業はこの協定により大打撃を受ける事になった。ここで登場するのがトウモロコシ。メキシコの農家にとって、この作物は生命線である。自由貿易により関税が撤廃され、農家は急激に競争力を失っていった。彼らは農業では生活が出来ない/採算が付かないことを予想し、アメリカに出稼ぎ→不法移民として流れていった...(*なお、NAFTAの影響は今も世界的な研究対象とされていますので、一概に上記の説明が全て正しい訳ではありません)

前置きはここまで。では、Sadboy LokoのVerse の解読に入るとしよう。


[解読]
We need to come together, look around
They made the border for the browns cause we're not allowed
Gotta get the green card for me and my child

YG同様、Sadboy Lokoも団結を訴えている。多くのメキシコからアメリカへの移民は違法に国境を超える。彼はそれを嘆いている。そんな不法移民者は当然Green Card = 米国永住権 を持っていない。これの審査は厳しく、今でも"違法にアメリカに滞在している移民"が多いのが現状である。


Those assholes payment under the table that don't last a while
those jobs getting passed around, they dog our people
Why we gotta look for work at Home Depot?

*payment = 給料

*last = (動詞の意味で)続く

*get passed = 通る(←今回の場合は仕事を得る/仕事の審査を通る = 職に就く)

*dog = (動詞の意味で)付き纏う/(スラングで)犬の様に扱う

*Home Depot = 家のリフォームなどに使う資材を販売するアメリカのチェーン店


国境を非合法的に越えたメキシコ人の多くは、アメリカで極僅かな職種にしか就く事が出来ない。もっと書いてしまえば、アメリカ人の多くがやりたがらない仕事に就いている。その多くはウェイターや清掃業である。アメリカはアルバイトの時給が低い事で知られていると思うが、それを賄う形でチップ制度が存在する。例えばレストランで食事をして、その会計とは別に接客をしてくれた人に払うものだ。これがなかなか日本からアメリカに旅行した時に面倒くさいシステム。だが、チップを計算してくれるアプリもあるので是非色々と検索して欲しい。チップが低い = 接客の質の悪さ を示している。特にチップに厳しいのが日本人がオーナーの店である。少しでもチップを少なくするものなら細かく「何がいけなかったのか教えてくれ」と言われ、ご丁寧に「チップはこれぐらいです」と説明される。そういうところはきっちりしている。なお、NYCの居酒屋で働いている日本人の多くも不法にアメリカに滞在を(以下省略)

主にチップや安い時給の仕事にしか就けない不法移民の人々。当然そのお金はすぐになくなってしまう。また、オーナー/雇用主が不法移民だと知ってわざと安い時給を提示したり、サービス残業を強いるケースもある。雇用された側は自らの立ち位置が不利なのを知っている。なぜなら、何か不満を口にした瞬間に自らの身分 = 不法移民者 だという情報を流されてしまうからだ(→強制送還)

Home Depotは上記に書いたチェーン店であり、時給は当然安い。Sadboy はHome Depot = 安い金で扱き使われる場所 の意味合いでこの店を選んだと同時に、Home = 家 なので、ちゃんとした家に住む事が出来ない/住む事を望む ことを暗にラップしている可能性もある。


It was us before the natives, why we ain't equal?
But why you give us no perks, fool we need those
"And we're trying to make America Great"
Fuck you ese, somebody bring him to the Treces
And ——— just for disrespecting


*perk(s) = (スラングで)特権

*ese = (スペイン語のスラングで)man = 男

*trece = (スペイン語で数字の)13←後述

*disrespect = 軽蔑する


1つ目のリリックはメキシコ帝国の事を指している。少し世界史のお話。アステカ帝国として繁栄していた現名のメキシコは、スペイン人のコルテスによって征服された。スペイン領となったメキシコは、1810年から独立戦争を行い、その後第一次メキシコ帝国が成立した。その帝国当時のメキシコ領土がこちら↓


見て分かる様に、
中米アメリカ全体のみならずアメリカの西海岸と南部の半分までを領土とした

Sadboyは、現在のアメリカ合衆国の前はメキシコ人/ヒスパニック系がCaliforniaに住んでいた と主張する。合衆国がインディアンを追いやったように、我々も追いやるのか と非難しているのだ。合衆国が奪ったのなら、我々に補償/特権を与えるべきなのではないか?

次に登場する"we're trying 〜"はDonald Trumpが大統領選で掲げているスローガン: 「アメリカを再び偉大な国にする」である。SadboyはTrumpのこのスローガンを信じておらず、"13"に送れ とラップする。では、この13は何なのだろうか?↓

MS 13

Mara Salvatrucha、通称MS 13はLos Angelsが起源とされる。メキシコやカナダ、そして中央アメリカにも拠点を持ち、メンバーの多くはエルサルバドル出身のサルバドル人。近年、日本でもViceの特集により知る人が増えているであろうか?

Sadboyは、TrumpをMS 13の縄張りに送る事でこの国の現実を知らしめようとしている。

次のラインの———は、おそらく"Fuck Donald Trump"とレコーディングした為に消されたのだろう。もしかすると、YGとSadboyがレコーディング中にわざと"こんなリリック書くと政府に消されるぜ"なんて意味を込めたのかもしれない。


Black, brown, or pale, it don't matter to me
The only color that call shots in this world is green
And at eighteen they want you to sign up for war
That's why most rather bang and hang around at the store

*pale = (スラングで)白人/アジア人

*don't matter = 関係ない

*call the shots/call shots = 決定する

*green = 米ドル紙幣←色が緑のため


Sadboy Lokoにとって人種は関係ない。結局のところ、この世の中は金で全てが決定する とラップする。

アメリカでは多くの若者が米軍に入る現実があるのを読者はご存知だろうか?大学に行くお金もなく、また大学にいけても学生ローンの借金地獄。そんな時に米軍がその情報をどこからか入手して「米軍に入れば大学のお金を払う事が出来る。軍の仕事は戦場に行くだけじゃないから心配しないで」なんて甘い言葉を囁いて若者を欺くケースが多発している。その詳しい現状は、ジャーナリストの堤未果さんの著書で理解出来る。

戦場に行くぐらいなら、地元でハスリングしていた方がましだ とSadboyは語る。


So to you, it's just another selling corn
To me, we out here hustling for the mortgage
Fuck you think we crossing the border for?
Why you think in a bedroom there's more than four?

*corn = トウモロコシ/(スラングで)大麻

*mortgage = 担保


戦場に行くより、自らが住むCalifornia州で生き抜く決意をするSadboy。彼は、金を稼ぐ為に大麻を売る。と同時に、本来cornはトウモロコシである。Sadboy Lokoの事前知識として書いたNAFTAの件がここで繋がる。多くの移民は、米国でも安いトウモロコシを売って生活をし続けなければいけないのだろうか?

彼は自らの生活の為にハスリング = ドラッグ売買をする。それで貯めたお金で家を手に入れるのだ。中高生の読者も多いと思うので、一応"担保"の意味を説明すると、一種の保証のようなもの。例えば、家を建てる時に銀行から高額なお金を借りる。借りる側はそのお金に見合うもの(←土地など)提供して、"保証品"とする事で、万が一借りたお金が返せなくなった場合はその保証品を相手にあげること を指す。なおここで直接"担保"と書くと難しいので[訳]パートでは意訳している。

メキシコを含む中南米の人々はなぜ危険を冒してまで国境を渡ると思う?」とSadboyは訴える。決してドラッグ売買をしたくて渡って来たわけではない。アメリカ合衆国によって奪われたものを取り返しにきたのだ。そして、アメリカンドリームを掴むために。

しかし、合衆国に渡っても生活は貧しく、1つのベッドに4人以上で寝て過ごす現状が存在する。


You explored my country but can't accept my people
But who you want to run your business? My people
My flag is green, white, red, in the center's an eagle
Brown Pride, fist high, this for my illegals

*explore = 探検する

*accept = 受け入れる

*run = 経営する

*fist high = 拳を高くあげる


アメリカ合衆国は元々メキシコ領土だったCalifornia州北部やTexas州を"探検"し、自らの領土に変えた。元々住んでいた人々を追いやると言うのか?

Sadboy Lokoはメキシカンアメリカンである。メキシコの国旗は、緑、白、赤、そして中央に鷲がいる↓



SadboyはVerseの最後で、「我々はプライドを持ち、拳を高くあげよう」とラップしている。どんな時でも、我々 = メキシカンアメリカン(とヒスパニック系)は団結をしなくてはいけない。そして、YG同様差別をなくし、他のアメリカ人並みの生活を補償されるまでこの戦いを終わらせないのだ。


[訳]

We need to come together, look around
They made the border for the browns cause we're not allowed
Gotta get the green card for me and my child
Those assholes payment under the table that don't last a while
those jobs getting passed around, they dog our people
Why we gotta look for work at Home Depot?
It was us before the natives, why we ain't equal?
But why you give us no perks, fool we need those
"And we're trying to make America Great"
Fuck you ese, somebody bring him to the Treces
And ——— just for disrespecting
Black, brown, or pale, it don't matter to me
The only color that call shots in this world is green
And at eighteen they want you to sign up for war
That's why most rather bang and hang around at the store
So to you, it's just another selling corn
To me, we out here hustling for the mortgage
Fuck you think we crossing the border for?
Why you think in a bedroom there's more than four?
You explored my country but can't accept my people
But who you want to run your business? My people
My flag is green, white, red, in the center's an eagle
Brown Pride, fist high, this for my illegals

俺たちに必要な事は団結だ、周りを見てみろ
奴らは俺たちの移動を困難にする為に国境を作りやがった
子どもの為にもグリーンカードが必要だ
こんな安い給料じゃ何にも出来ない
仕事に就いても、犬みたいに扱われる
Home Depotで働く理由を知ってるか?
俺たちが先にここにいたのに、なぜ平等じゃないんだ?
何か特権を与えてくれ、ここは息苦しい
「我々はアメリカを再び偉大な国にしようしている」
糞ったれ、誰か奴をTrecesの縄張りに連れてってやれ
———を軽蔑するぜ
黒、褐色、白だろうが関係ない
結局世の中金が全てなんだろ
18歳で戦場に送られるなんてまっぴらだ
だから俺たちはここでなんとかやってくよ
だからよ、また別の大麻を売りさばくんだ
それを元手に家を買うのさ
なぜ俺たちが国境を渡るかって?
なぜ俺たちは1つのベッドに4人で寝る環境かって?
お前達は土地だけ盗って何の補償もくれやしない
それで白人の下で働けっていうのか?
俺の国旗には緑、白、赤に鷲が中央にいる
さぁ同士よ、拳をあげろ、不法移民に捧げるぜ

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[Hook: Sadboy Loko]

I'm a Chicano and I can't go outside
A brown cop harassing me, I guess we all look alike
I'm a Chicano and I can't go outside
This happens daily, all the time, I can never ask why
I'm a Chicano and I can't go outside
They make it harder by the day, tryna keep this hope alive
I'm a Chicano and I can't go outside
Cause if my homies say it's on, they you know I'm down to ride


*全てを一遍に解読する為リリックは割愛


YGはアフリカンアメリカン。Sadboy Lokoはメキシカンアメリカンである。SadboyもYG同様家から出る事が出来ない。その理由は何か?

1つ目。同じ人種の警察官が彼を無実でも捕まえようとするのだ。同じ人種なら境遇は同じはずなのに である。

2つ目。そんな出来事が毎日の様に起こる。なぜこんな事になったのかをSadboy自身も分からずにいる。

3つ目。警察の監視、暴行事件は増える一方である。それでも、Sadboyはこの現状に希望を持とうとリスナー、そしてメキシカンアメリカン、不法移民者に投げかける。

そして4つ目。YGのHookと同じ事だが、もしもSadboyの仲間が何かをする時、彼もその計画に乗らなくてはいけない→トラブルに巻き込まれる。


[訳]
I'm a Chicano and I can't go outside
A brown cop harassing me, I guess we all look alike
I'm a Chicano and I can't go outside
This happens daily, all the time, I can never ask why
I'm a Chicano and I can't go outside
They make it harder by the day, tryna keep this hope alive
I'm a Chicano and I can't go outside
Cause if my homies say it's on, they you know I'm down to ride

俺はChicanoで外に出られない
同じ肌した警官が、俺を狙うんだ
外に出る気にもなれない
そんなのが毎日さ、もうどうなってんだ
俺もそこらにいるChicanoだ
圧力が増すが、希望は捨てないことだ
外に出る事を恐れてる
連れの誘いを断る事は出来ないぜ

-------------------------------------------------------------

[Outro]

Don't shoot... don't shoot officer, don't shoot
my hands up.... my hands up

撃たないでくれ... 頼むから... 撃たないで...
手をあげてるから... 見てくれよ...

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最後の[Outro]で銃声が聞こえる。多くのアフリカンアメリカン、そしてヒスパニック系の"最後"を目撃しているかの様な終わり方である。

管理人は今アメリカで話題になっている動画を紹介したい↓



この動画のタイトル:もしあなたがアフリカンアメリカンなら、これらの23つの行動だけで殺される可能性がある。BeyonceやAlicia Keys、ASAP Rockyもこのプロジェクトに参加し、米国で大きな反響を呼んでいる。動画内の英語は決して難しいものではないので是非見て欲しい。

上の動画でAlicia Keysが最後にこんな事を言っている↓

今、まさにこの瞬間が変える時なのです
私たちは劇的な変化を望んでいます
長年にわたる"創られた人種差別"の変化です
全てのアメリカ国民がこの国で平等に住み
幸福を追い求める権利があるのです


Article & Translated by YA